〈こころ〉気がついたら朝、目覚めることがいやではなくなっていた

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いつからだろう?

「ああまた明日が来てしまう」と落胆しながら眠ることは無くなっていた。
「ああまた目が覚めてしまった」という悲しみと折り合いをつけながら1日を過ごすことが無くなった。

朝はスッキリ起きるとまではいかなくても、眠い目をこすりながら今日という日を迎えいれる。
夜はたっぷりお湯を張った湯船に入浴剤を溶かして温まってから眠る。ささやかなたのしみ。

それまではくたくたになった心と身体にむち打って、山積みの「やらねばならない」ことを繰り返す毎日だった。

朝起きたら自分以外のものに全てをコントロールされる毎日だった。

日中はそのほとんどが家事と子供の世話に費やされていた・・・と、思い込んでいた。
それが「依存」ということに気づいていなかったからだ。「コントロールされる」と思うことで自分で選択権を放棄し、選ぶという責任から逃れている事実から目をそらしていた。

「家族にやってあげている」という自己犠牲心と、「感謝されない」という不満を持ち続けていた。つまり責任は逃れているのに「見返りを求めている」のだ。

家の中の活動で満たされない私は、家事と育児で手一杯だったはずなのに見えない誰かに認めてもらうことでその存在を肯定しようとしていた。インターネットの世界は行動を起こせば感想をもらえる「見返りのある世界」だった。外から見られている私は頑張っているお母さんだったし、4時起きして朝活に励んだり、資格取得に邁進したり、ブログをたくさん書いたり誰かに認めてもらおうと必死だった。

私は「やらされている」と思うと同時にそれをこなすことが「自分の存在意義」だと無意識に刷り込んでいた。そしてその無意識の刷り込みに反発し、外の世界へ私の存在感を示そうとしていた。しかし、これらも私自身が私のためにしているのではなく「誰か」に認めてもらう手段でしかなかった。評価が他者である以上、完全に満たされることはない。

必死さはこころと身体を蝕み、毎日ギリギリのところで生活していたように思う。いま振り返れば、だけれど。

翌朝目が覚めなかったらどんなに楽だろうとおもったし、まだ眠りにつく前だというのに、「寝たら朝になってまた同じ1日を繰り返すのか・・・」と、想像するだけで疲労を感じた。
「病気になって入院とかしたらラクになれるかな。」と何度も想像した。

様々なきっかけのおかげで、今の私にこれらの症状はない。
私のこころのベースができるまで

行動を起こす主軸が「自分」であることに気づけないまま今も過ごしていたらと思うと恐ろしくなる。カウンセリングの先生曰く「いくら歳を取っても気づけない人は気づけない」といっていた。上記のリンク先にも書いてあるが子供の頃の「自主性の欠落」が一つの原因とのこと。(すべてではない)

子供の頃、常に「いいおねえちゃん」でいようとし続けた私は人の顔色を伺うことに慣れ、結婚するとその対象が「夫」にスライドしてしまったのだ。ある夏の日の、猛烈な夫婦喧嘩ののちに私の歪んだ考え方が夫に伝わり、それを指摘した夫の言動にひどく腹を立てた。それが当たっていたから腹が立ったんだと思う。いまではその時に何をどう指摘されたか覚えていない。その時の怒りも風化してしまっている。ただその時は怒りを感じながらもすこしずつ自分の世界が変わったことに気がついた。最初のうちは怒りで煮えたぎっていたけれど怒りを鎮めていく過程で確実に私の身体の芯に埋まっていたわだかまりが溶けてきたことを感じた。その時の夫が倫理的に正しいことを言ったわけではない。関係性の中でしかわからない言葉で何かを言って私の神経を逆なでした。劇薬で、それが薬効をあらわすのか破綻へ導くのかは紙一重だったとおもう。

現在。

(わたしは2歳。)
何かに迷ったり考え込んだりする時にそう考えるようにしている。まだまだ経験が足りないからたくさん迷っていい、かんがえていい。それを自分に許す。
私が私のために何かを選ぶ。
働く、楽しむ、そして迷い、悩み、かなしむ。そんなふうに私が私のために感情を働かせるようになったのは、たった2年前の出来事からなのだ。今年でやっと3年目。ここまで言語化できるようになったとも言えるしまだこれしか言語化できないともおもう。

さいごに

星野源の「働く男」のなかに仕事について書かれている箇所がある。

病気になった前後で仕事に対しての関わり方の変わったところと変わらなかったところについて。そこに「依存」という言葉を用いている。それを読み返してふと自分と重ねた。ずうずうしいけど(^^;

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★映画を見てから読むか読んでから見るか悩ましい・・・

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