おじいさんの小さく満ち足りたかばん

わたしの父くらい-おじいさんと呼ばれることに慣れている-の人が持っている、小さくて満ち足りたかばんを見るのが好きだ。

事務的で、こだわりは(たぶん)あまりなく、かといってずさんではない。

革じゃなくてシャリッとした軽い素材。若い子たちだとマンハッタンポーテージに使われてるような素材感だけど、おじいさんたちのカバンはカジュアルさは控えめ。

だいたい四角くで縦長のことが多く、ファスナーがたくさんついている。

きっと、そのファスナーのどこかに孫にあげる時用の数枚の千円札とポチ袋なんかが入っている。小銭入れを愛用し、札はだいたい別にして持っている。普段は大金を持ち歩く用事は無いからだ。

清潔に使い込まれているポケットには決まったものを入れているのであろう、ペンの形のへこみ跡が見えたりするのも好きだ。一緒に挿してあるピンク色のA6キャンパスノートとか。

肩掛けのフックには交通系ICカードと市内用敬老定期の両方が挟まっているカードケースを引っ掛けている実用性が好きだ。おじいさんは概ね公共交通機関でアタフタしない。ビジネスマン時代に鍛えられていて変化にも対応している。

電車の中、フードコート、病院の待合室、ドトールのスツール席で隣り合わせた時にチラッと拝見してしまう。そして自分の父は格好の観察相手だ。

おもむろにかばんを開けて出てくるのがiPadやiPhone、GalaxyやXperiaをテーブルや膝に出し、読むものは折りたたまれた新聞や文庫本というのも興味深い。どう使い分けしてるのか聞きたくなる。変わらないのは電子ツールを使いこなしながらも腕時計率が高いこと。メモをたくさん取ること。

コピーをゼロックスと言い、図面を手書きして青焼きし、じん肺問題に奮闘し、いまでも高齢者採用で働いている。おじいさん。

それがわたしのお父さん。

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